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AIで継承する伝説のスポーツ選手「究極の技」(写真=共同)

スポーツイノベーターズオンライン

 人工知能(AI)技術の進歩によって、従来は人間にしかできなかった多くの仕事が、理論上は自動化できるようになってきた。実際、販売・マーケティング、顧客サポート、人事・人材管理、物流など多くの分野でAIの導入が始まっている。では、スポーツの世界でAIはどのような役割を担うのか。AIによる技能継承サービスでスポーツビジネスに参入したLIGHTz(ライツ)代表取締役の乙部信吾氏は、「AIはレジェンド選手の知見を次世代に継承する架け橋になる」と語る。同社のメンバーに「AIと創るスポーツ産業の未来」を、連載形式で展望してもらう。

 伝説的なスポーツ選手の技能を、いかに次世代に継承するか――。

イチロー選手=共同

イチロー選手=共同

 これは、スポーツ界の活性化に関わる大きなテーマの1つです。例えば、サッカーのカズさん、野球のイチローさん、スキージャンプの葛西紀明さん、柔道の井上康生さん、バレーボールの竹下佳江さん、陸上競技の為末大さんなど、その雄姿を誰もが頭に思い描ける“レジェンド”のトレーニング手法や、試合中の判断といった知見は、スポーツに携わる多くの人のパフォーマンス向上に役立つでしょう。

 しかしトップアスリートであるほど、そのノウハウを他者が知る機会は少ない。加えて、素晴らしい能力を持ち、数々の成果を残してきた選手でも、自身のノウハウを言語化することについては不器用な方が多いように思います。このジレンマを乗り越えて、未来へ架け橋を渡すことはできないのでしょうか。

 ここに希望をもたらすのが、AIの存在です。トップアスリートの知見や思考回路を、AIを用いた「汎用知」として扱うことができれば、彼らに直接会えなくても、AIとの対話からパフォーマンス向上のための気づきを得られます。それを基にチームの戦術を練ったり、個人が練習メニューを組み立てたりするなど、活用の可能性は様々です。トップチームでの戦略策定から、中学生や高校生の部活動、クラブチームの強化、スポーツを始めたばかりの子どもの指導に至るまで、幅広い展開が見込まれます。

レジェンドの持つ経験や知見はAIを用いて「汎用知」となり、次世代のパフォーマンス向上につながっていく(図:LIGHTz)

レジェンドの持つ経験や知見はAIを用いて「汎用知」となり、次世代のパフォーマンス向上につながっていく(図:LIGHTz)

■製造業とスポーツの共通点

 私が代表を務める企業、LIGHTz(ライツ)では、専門家の知見やノウハウを教師データとするAI「ORINAS(オリナス)」を開発しています。ORINASという名前は日本語の「織りなす」からきていて、熟達者の思考やまなざしを丁寧に紡ぎあげるという意味を持っています。

 スペシャリストからヒアリングした知見を「ブレインモデル」という独自の形式にし、それを元にAIを構築するという手法をとっています。このモデルを使うことで、スペシャリストの知見を、誰でもコンピューターシステムから引き出せる環境を作り出します。現在は、製造業での新製品開発や、農業での新農法開発などの分野で活用されています。

スペシャリストの複雑な思考回路を可視化し、ネットワーク図として表現することで、誰もがその知見を活用できるようになる。LIGHTzはブレインモデルを基に独自のAI「ORINAS」を開発している(図:LIGHTz)

スペシャリストの複雑な思考回路を可視化し、ネットワーク図として表現することで、誰もがその知見を活用できるようになる。LIGHTzはブレインモデルを基に独自のAI「ORINAS」を開発している(図:LIGHTz)

 この製造業向けのAIを、スポーツの試合分析の専用システムとして応用したのが、2016年に発表した「ORINAS Athlete」です。LIGHTzとスポーツの関わりは、2015年にフェンシングの太田雄貴選手の試合分析に携わったことから始まりました。2016年のリオデジャネイロ五輪に向けたデータアナリティクスの取り組みをご一緒したことがきっかけとなり、その後、正式にスポーツビジネスに参入しました。2017年1月には筑波大学女子バレー部との共同研究を開始し、「スポーツ×AI」の本格展開に着手しています。

記事タイトル:AIで継承する伝説のスポーツ選手「究極の技」(写真=共同)
引用元サイト:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO15665300U7A420C1000000/

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